第59回マンション維持管理講座・相談会記録

第59回マンション維持管理講座・相談会記録

弁護士に聞いてみよう!

~区分所有法改正と管理組合の備え~

マンションの増加、築年数マンションの増加や居住者の高齢化といった2つの老いという問題から、令和7年に区分所有法などが改正され、令和8年4月1日に施行されます。改正法のもとでは、集会の決議が出席者の多数決で行えるようになったり、不在となっている区分所有者を決議の母数から外すことができるようになるなど、集会の決議の方法が変わります。集会の招集通知の記載事項なども変わります。また、新たに、所在不明となっている専有部分の管理人や、管理が不全となっている専有部分や共用部分の管理人を裁判所に選任してもらうことができるようになり、これによりマンションの管理がしやすくなることが期待されます。 今後、改正法の施行に合わせて管理規約の改正を検討する必要があります。標準管理規約の改正が予定されているため、それを参考にすることがいいと思いますが、自分のマンションの即した内容の管理規約としてどういった内容がよいかをそれぞれ区分所有者がしっかりと考えることが重要です。(佐々木好一)

~区分所有者の責務と外部管理者制度~

今年、区分所有法が改正され、管理に関する区分所有者の相互協力責務が定められました。これは、マンション管理に対する区分所有者の自覚を促すものとも言えます。一方、役員の成り手不足などの悩みに対応して、管理者を外部に委託する方向も進んでおり、国交省からガイドラインも示されています。外部管理者にはメリットもデメリットもありますが、特に管理業者管理方式に顕著ですが、管理がお任せになることから来る利益相反の危険、それに対応するためのチェック役としての監事の役割の重要さは見逃せません。さらに、いったん外部管理者方式を導入したとき、外部管理者側から離脱しようとする際の管理組合側の体制再構築の難しさは否めず、一方で、管理組合側から組合員管理者方式に戻そうとするときも総会決議に漕ぎつけるまでにハードルが高くなっていきます。いずれにせよ、自分たちのマンションの実情を踏まえて、どのような管理が適切なのか、真摯に検討することが求められます。(内田耕司)

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